2016.06.02
SPECIALコンテンツ団長のピラミッド講座をアップしました。
2016.05.26
SPECIALコンテンツ萌黄の物販工場をアップしました。
2016.05.26
SPECIALコンテンツ「名探偵小石」第九回をアップしました。
2016.05.25
男肉チャンネル第6回をアップしました。
2016.05.18
「Podcast お悩み演出家、団長を救え!」をアップしました。
2016.04.01
特設サイトがオープンしました!
厳密には2004年に大学の文化祭でダンスを作ったときに僕は男肉を名乗りました。
2005年に初めて大学外で劇場を借りて公演をしました。
公式にはそれが男肉のスタートにしてます。
でも気持ち的には2006年からが真のスタートだと思っています。
なぜならメンバーが今の形にほぼ定まったからです。
それまでは毎回演者を0から誘っていく形でした。
ほぼ10年、多少の増減あれど同じ顔ぶれでやってます。
一区切りつける気は皆無ですが、舞台上で一区切りつけるとしたらこんな作品になると思います。
団長 池浦さだ夢
・団長・
池浦さだ夢
・出演・
江坂一平
小石直輝
高阪勝之
城之内コゴロー
すみだ
チェン
森本萌黄
ヤマモトエリコ
吉田みるく
岩田奈々(kitt) 脇坂浩紀
主催・企画・製作:男肉 du Soleil
制作協力:オポス / [京都]サウンドクリエーター / [東京]サンライズプロモーション東京
舞台監督:稲垣宏×杉浦訓大
照明:吉津果美 音響:中野千弘 映像:角田行平
制作:高阪勝之/井神拓也 大瀬千尋 吉田和睦
art direction:堀口努(underson) photo:有本真紀
京都芸術センター制作支援事業
2016.6/2(木) 19:00★
6/3(金) 19:00★
6/4(土) 13:00 / 18:00★
6/5(日) 13:00
(受付は開演の60分前・開場は開演の30分前
★印は「おまけトークショー」あり
【一般】前売2500円/当日2900円
【学生】前売2000円/当日2500円
※入場時要学生証提示
【男肉飛び散る席】前売2000円/当日2500円
(最前列・最も間近で出演者と触れ合えます)
【絶対安全席】前売・当日3000円
(最後列・このエリアには出演者は立ち入りません)
<チケット取り扱い>
▶ローソンチケット 0570-084-005(Lコード54542)
▶チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード450-323)
▶男肉 du Soleilサイト oniku-du-soleil.boy.jp
(5/30[月]より予約のみ受付)
■お問い合わせ サウンドクリエーター
06-6357-4400(平日12:00~19:00) www.sound-c.co.jp
<会場へのアクセス>
元 立誠小学校 音楽室
(京都市中京区木屋町蛸薬師下ル)
阪急電車「河原町駅」1番出口より徒歩3分
京阪電車「祇園四条駅」4番出口より徒歩5分
6/13(月) 19:30★
6/14(火) 19:30
(受付は開演の60分前・開場は開演の30分前
★印は「おまけトークショー」あり
【一般】前売2500円/当日2900円
【学生】前売2000円/当日2500円
※入場時要学生証提示
【男肉飛び散る席】前売2000円/当日2500円
(最前列・最も間近で出演者と触れ合えます)
【絶対安全席】前売・当日3000円
(最後列・このエリアには出演者は立ち入りません)
<チケット取り扱い>
▶チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード450-330)
▶e+(イープラス)
▶男肉 du Soleilサイト oniku-du-soleil.boy.jp
(6/10[火]より予約のみ受付)
■お問い合わせ サンライズプロモーション東京
0570-00-3337(全日10:00~18:00) sunrisetokyo.com
<会場へのアクセス>
駅前劇場(東京都世田谷区北沢2-11-8TAROビル3F)
小田急線・京王井の頭線 下北沢駅南口徒歩1分
第一回
小石 | という訳で、本日より、名探偵小石のコーナーがスタートです。 ……大げさな前口上を述べてはおりますが、実はぶっちゃけ、単なる座談会企画でございます。 一応、名探偵とかタイトルに掲げているのには理由というか、テーマがあって。 ここでは主に、男肉にまつわる、数多くの謎について、赤裸々に迫っていこうと、そんな風に僕は思う。 |
萌黄 | 謎、ですか。 |
小石 | そう。男肉内の謎、団員の不思議、稽古中に起こる現象を追い求めるのだ。 みんなで一緒に首をかしげたり、頭に疑問符を浮かべたり。 ちなみにメンバーは大阪周辺に生息している団員を中心として、のんべんだらりと進めていくつもり。 |
萌黄 | なるほど。 |
小石 | そこで突然やけど、男肉について「これは謎だ」と思うこととか、パッと思い付くものある? |
あんず | ……団体名は謎ですよね。初めて聞いた時、「何これ?」っていう(笑) |
萌黄 | その時どう思った? 知識ゼロの状態で、男肉 du soleilって聞いて、どんな舞台やと思った? |
あんず | 絶対ヤバいと思って。アンダーグラウンドなイメージかな、って。ちょっと最初、扉を叩くのは恐かったですね。 |
小石 | そうなるんよな、名前でヤバい奴らやと思われて。だからみんな、名前だけは知ってます、みたいなパターンが割とよくあるという。 |
萌黄 | そうなんですよね。名前聞いてビビられているというか、やっぱり知らない人に、友達とか、「男肉 du soleil」って団体名を言うと、「え?」みたいな反応されて(笑)半笑いで「どんな団体なの?」って。 |
小石 | 男の肉、やからな。そこでどうしても、怪しい匂いがしてしまうというか。 |
萌黄 | 「怖そう」とか。「安全に見れるのかね?」みたいな。 |
あんず | しかもチケットの種類が『男肉飛び散る席』とか。 |
小石 | 詳細が特に詳しく載ってることもなく、チラシ見ても、席の名前と値段が記されているだけで。 「男の肉で、その上、席まで飛び散ってくるらしい」という断片だけで考えれば……。なるほど。確かに。 |
萌黄 | なかなか。 |
小石 | 危ない奴らかもしれん(笑) |
萌黄 | やっばい奴らやと思いますもんね。 |
あんず | 変なもの飛び散ってくるんじゃないかって。 |
小石 | 全然みんな、ポップで、カワイイ奴らなのにね? |
萌黄 | ほんとにね。いや、キュートですよ(笑) |
あんず | 優しさに溢れてる(笑) |
小石 | その辺りはどうやった? 舞台で僕らの印象を見て、それから団員として入って。 |
あんず | ビックリするぐらい皆さんシャイで。まだ、あまりお話しできてない人も居たりして。団長から「人見知り多いよ」とは事前に言われてたんですけど。 |
小石 | 萌黄の場合だと、同じ近畿大学出身で。先輩後輩の間柄っていう、系譜があったけど。 |
萌黄 | あんずはそれとはまたフィールドが違うから。まだ、どう行ったらいいのか解らない、っていうのも、たぶんあるのかと。 |
あんず | うん。毛色がね。全く違うから。入団が決まった時は嬉しい反面、怖かった。すごく嬉しかったけど、自分が飛び込んで、いざ、やっていけるのかが不安で。自分はライブしか知らなくて。舞台をどういう風にやっていくのかとか、全く解らなかったから。でも、場数踏んでいかないと、って思いまして。ライブに関してもですけど。 |
小石 | 今回が大長編初参加で、男肉本格参戦とも言えるし、それはこれから、がっつりと行こう。 |
あんず | そうですね。 |
小石 | 僕らは何というか、僕らだけの感覚で突き進んできた部分が多々あって。よくゲストの方々に来て頂いたりはしてるけど、団員として、身内として、全く違った文脈を持ってる人というのは新鮮で。だから違う文化を知っているなら、それをどんどん出して欲しい。 |
萌黄 | グイグイと。もう好きにして。自分の家やと思って。 |
あんず | そこまで? |
小石 | 最近は男肉全体の流れとして、色々と新しいことにチャレンジしようとしてるしね。ぜひともそこへ追い風をば、吹き込んでもらえたら、とってもステキ。 |
萌黄 | そうそうそう。 |
第二回
小石 | 名探偵小石、第二回目です。収録場所も時間も、完全に前回と地続きの現実という、紛うことなき、その2。 今回はミスターXからの挑戦状的な謎に挑もうと思います。 |
萌黄 | ミスターX。 |
小石 | ええ。ミスターだかスミターだか、全く誰だか解らない正体不明の人物から、とある謎が届けられまして。 |
あんず | 完全に、ちょっと、言ってしまってる(笑) |
萌黄 | 昔、ミスターすみXってキャラが、団員ブログでいましたね。 |
小石 | それと同一人物なのかどうか、……それは神のみぞ知る。 |
萌黄 | 明かされないんや(笑) |
小石 | それで、ミスターXから叩き付けられた問題というのが、この写真です。これを見て。 |
小石 | 『これが、どの公演のものか解るかね諸君?』と、そんな感じですね。 |
二人 | えぇ(笑) |
小石 | まぁ、ぶっちゃけ、解らねぇよ! っていう(笑) |
萌黄 | 解んないですよね(笑)上裸に、ジーパンと、Jさんだけベロア、いつものことやし。 |
あんず | ……たすくさんの髪が長い。 |
萌黄 | 最近じゃないってことですね。でも、切ったのって、モグラーズの前ですから、除外されるのモグラーズぐらいっていう。 |
あんず | あんまりせばまらんかった(笑) |
小石 | 実は先に「どうせなら難しい問題を」という要望を僕から出していて。そうしたら送られてきた写真が、想像していた以上に、難解な代物で。最初見た時は、どうすんだよこれ、って途方に暮れそうになったんやけどさ。 |
萌黄 | はい。 |
小石 | ただね、これ。よくよく見てたらさ。この、右端。 |
あんず | ふむふむ。 |
小石 | これ完全に、ねぇ? |
あんず | え? |
萌黄 | ん、右端? |
小石 | 端っこ、若干オーバーオールが見えてて、ほら。 |
萌黄 | ……ああ、解りました! しかもこの腕と。 |
あんず | えー、わからん(笑) |
小石 | これを踏まえると、一個しか該当がないよねっていう。 |
萌黄 | そうですね。……ブギーロボ。 |
あんず | おー。 |
小石 | この人物が団員じゃなくてブギーロボでのゲスト、いせむーだと気付ければ、後はイージーモードなのだけれど、もしこれがなかったとしたら、お手上げだった。 |
萌黄 | ほんとに全く解らないですね。だってこういう動きとかも、よくやってますしね。 |
小石 | じゃあさ、例えば。……もうXからの挑戦云々の話は捨て置くけど。自分の、この写真がどれかって、解る? |
萌黄 | あー。 |
小石 | 公演としてはたぶん、同じく、ブギーロボやと思うんだけど。 |
萌黄 | ブギーロボですね、この衣装は。私、これ自分で作ったんですよ、このおにぎり。 |
小石 | おお、やっぱり衣装あると、さくっと断定ができるんや。 |
萌黄 | 自分の衣装、けっこう毎回変わってるんで。ただ、なにこれ。これが、……え? どのシーンかってことですか? |
小石 | 解る? 無理か。さすがに場面まで問われたら、なんやったっけ、ってなるよね。 |
萌黄 | ブギーロボって、みんなで半円になってずっとこう、話を聞いてる、みたいなシーンが割と。 |
小石 | ブギーロボ限らずにそうよね。たいてい、真ん中でドラマを進めていく役がいて。 |
萌黄 | 誰か一人がしゃべってて、周りでみんなリアクションをしていて、っていう。 |
あんず | ああ、確かに。 |
小石 | みんな舞台に出てるっていうのが一つ、男肉の売り、という部分がふんわりあるから。とにかくみんなでお祭り騒ぎしてますよっていう感じが、お約束として並びがちというか。 |
二人 | はいはい。 |
小石 | ちなみに僕は、自分の立ち姿を見ても、どの公演かすら判別のつかないポンコツです。 |
小石 | これ見ても、さっぱりだったもの。 |
二人 | (笑) |
萌黄 | これ、どこ? でも、こんな顔してる角田さんが在ったのは覚えてる。 |
小石 | 解らな過ぎるあまり、裏技というか、画像データの撮影日時を思わず見てしまったもんね。 |
萌黄 | そんなのもう、わかってしまう(笑) |
小石 | 2012年7月29日、なるほど、サマオニだな!って。ただし、このケースは演目名が解った瞬間に、中身が電撃的に繋がるパターンだったのよ。はっきり見えたね。このすみちゃまはアグモンだと。 |
あんず | アグモンって? あの、デジモンの? |
萌黄 | そう、デジモンのアグモンを演られてる角田さん。 |
あんず | うん、……うん? |
小石 | 詰まる所、ゲストに衣装、日付とか、そこでしか解らない問題。 |
あんず | 難しい。 |
萌黄 | そうですね、見事に。舞台装置だって、まぁ、基本ないですし。大長編もイベントもすべからく、だいたい、ないですもんね。 |
小石 | ……誰かいるんかな? パッと見てどれがどの公演か解る、そんな超人が。ご来場頂いているお客様の中とか。 |
萌黄 | いてはるんですかね? |
あんず | いそうな気がしますけど。 |
萌黄 | そういうの、クイズ大会みたいなのやってみたいですね。 |
あんず | 肉カルトクイズ。 |
小石 | パッと問題を出して最後に、解った人はこちらのアドレスまで。 |
萌黄 | まで、みたいな。 |
小石 | 正解者には特典が。 |
萌黄 | 特典が。いやでも、これイベントだったら、結構解りそうな所さえも解らないですよね。 |
小石 | 見た感じが毎回同じ疑惑とか……。これは探偵力を挙げて、追調査していきたい所存。「今、霧は晴れた!」したい。 |
第三回
小石 | 男肉はスターシステムなのか何なのかさえ、あやふやな感覚があるなぁ、と僕は前々からほんのり思っていまして。 |
あんず | スターシステム? |
小石 | 手塚治虫とか、作品は違うけど同じ顔のキャラクターが登場したりするアレです。 大長編ってほら、別に作品同士、繋がってはいないでしょ? 『ビバリーヒルズ』と『スペースコブラ』とか、同じ時系列の作品もあるってだけで、基本的には別物で。だけど、それなのに『鉄球』の時とか、しれっと「何回も世界を救ってきた男肉 du Soleil」みたいな台詞があったり。 |
萌黄 | そう、なんか一応ね、これまでの大長編は踏まえてあるという。 |
小石 | でも、みんな設定は違うし。パラレルというのか。その辺での。 |
萌黄 | 微妙なゆがみ。 |
小石 | そこに男肉 du Soleilの捉え方、見方の難しさってあるんじゃないかな、って。結局こいつら何なんだよ、と。なんかもう妖精だか妖怪みたいな奴らだ、みたいな。 |
萌黄 | 本人役で、出てるっていうのもあるんですかね? だいたいそう、本人の、私は森本萌黄の役で出てるっていう。 |
あんず | 確かに、毎回そうかも。 |
小石 | 役として出てる、という所のふわふわさというか。謎っていう。 |
萌黄 | そうなんですよね。なんか急に、ポッとね、変な役があったりとか。モブもそうなんですけど。 |
小石 | キャラもブレるし。 |
萌黄 | ブレます。キャラはすごくブレますね。 |
小石 | お客さんにも、クエスチョンマークの人がいるんじゃないかなぁ、と思って。 |
あんず | そうですね、うーん……。 |
小石 | うん。思って。思ったのだが。そこはもう、僕達も疑問ですよ、という事で良いかな、とも思ってしまう(笑) |
萌黄 | (笑) 一緒ですよ、と? |
小石 | そう思って頂いて。それが男肉 du Soleilの怪ですよ、なんて。 |
あんず | だいぶ不思議な。 |
萌黄 | 世界観ということです、みたいな。 |
あんず | 中毒性は高いですからね。 |
萌黄 | ああ、そうなんかねぇ。 |
あんず | 一回見に来ちゃうと、もう、ハマってしまう人が多いイメージ。 |
萌黄 | ……前に、見に来てくれた友達が、最初、ストーリーもあって色々、「ああ、そうかこうなったんや」とか「これが誰で」とか思いながら見るけど、最後にこう、死んで踊るから「ああ、なんかもう、いいや!」って、「わーい☆」みたいな。最後の「そんなことはどうでもいい!」ってなるのは、一個あるって言ってました。 |
小石 | 行き着く所は僕たちのその瞬間、瞬間の、舞台上での生き様を、とにかく見て欲しいって境地かな。 |
萌黄 | まぁ、そうですね。常に、舞台って何日も、何回も、同じ公演をやるじゃないですか。けど、うちは団長が当日急に、演出を裏でポロッと「あそこでこういう台詞をどっかいれろ」とか「あそこへこれもっていけ」とか。舞台に出る直前に、パッと言われたりっていうようなこととかね。生ものって言い方ありますけど、同じ、確かに演目は一緒ですけど、昨日やったものと今日やったものとはもう、全然違うものとして、という感じも、大いにあるんじゃないかなって思いますね。そう言えば、あんまり、毎回一緒にやろうと思ってやったことないな、って。 |
小石 | 同じことやりたくないっていう気持ちもどっかにあるしね。 |
萌黄 | そう、そうなんですよね。 |
小石 | 一回使ったネタは敬遠したり。 |
あんず | 芸人さんみたい(笑) |
萌黄 | そう、芸人みたいな。やっぱりちょいちょい芸人システム入りますよね、男肉 du Soleil。 |
あんず | (笑) |
第四回
小石 | 名探偵小石も四回目。これまで色々と男肉の在り様とかを、むにゃむにゃ仄めかして参りましたが、それももはやここまで。僕達がよって立つ大長編、その根本的なところを、もういっそ団長に直接お伺いしてみようと、単身、思い立った次第です。 |
団長 | 大長編とは何かっていうこと? |
小石 | はい。 |
団長 | 簡単に言うと、ドラえもんの映画なのよ。『のび太の日本誕生』とかね。昔はタイトルもそうやってたし。『Kの結婚前夜』とか。ドラえもんの大長編って特異で。まず、ドラえもんの世界があるやん。てんとう虫コミックスの。 |
小石 | 原作ですか? |
団長 | そうそう。で、映画のドラえもんって、実は少しパラレルで。こんな冒険もしたねって話が出て、他の大長編を引きずったりするのよ。時間軸というか、解る? テレビや漫画が日常やとするならば、ちょっと盛った日常というか、大長編は特別というか、何かドラマをのせてるのよ。僕らも、まんまで出るやん。普段生活してる時、小石やし、高阪やし。舞台の上でもそうやし。でもやっぱり嘘は乗るというか。のび太達が過去にいって大冒険するみたいに、僕らは舞台上で、自分たちとして出ながらも大冒険するわけ。 |
小石 | つまり、僕らが普段生きてるこの日常が、言うなれば。 |
団長 | 原作、漫画やったりテレビのドラえもんで。 |
小石 | その僕らが舞台に。 |
団長 | 上がってるのが大長編。やっぱ劇場版と通常版ってちょっと変わるやん。劇場版は一つ、盛られている特別感があって。僕らも、僕らの日常が、いわゆる原作やとするなら、劇場版は、何かがのっかってるぞって言う感じがいいなぁ、と思って。だから大長編は大長編で一応、なんか続いてるし。 |
小石 | 男肉の大長編も全部、繋がってるんですか? |
団長 | 繋がっているというか、世界観が、舞台の上の僕らは、舞台の上の世界を生きる僕らなんよ。ややこしいけど。 ……大長編を名乗る前って、僕らでは出てるけど、もっと作り話やったのよ。大長編を初めて名乗った、『Jのとなりの男肉』では、まだそれが引きずられてて。Jは友達がいない高校生っていう役を背負ってる。 |
小石 | ああ、確かに。自分たちで居ながら、それまでは全然、違っていたんですね。 |
団長 | 自分の名前で自分のキャラでやってるけど、何かしら、役は一個背負っていて。 |
小石 | 団員の僕達、ではなかった。 |
団長 | そうそう僕達じゃない。でもそれ以降は、団員でやってる、っていう。団員でやってるから、話はずっと続いているよっていうイメージ。 |
小石 | 前回までも、無かった事にはなってない、ふんわりと引きずりつつ。でも、全てが同じかというと、そういう訳でもなく? |
団長 | もちろん。ただ、記憶は保持しているというか。イメージにあるのがほんとドラえもんなんやけど。普段は日常をやってるけど、冒険に行った奴もそれはそれで、世界を引きずってる感じが、子供心にすげえなと思った、っていうのはある。単純にそれを100%したくてやったじゃないけどね、別に。でもどうせ、大長編って言ってやるんなら。せっかく、僕らが本人で出てるんやから。 |
小石 | 特別感込み込みで。 |
団長 | そうそう、そりゃ嘘付いてるよ? 僕がアメリカのドンやったとか。 |
小石 | 「実は俺○○だったんだ」っていう設定とか。 |
団長 | それはもちろん嘘を突くけど、それは込みで、こう、地続きで、やってるよっていうイメージかな。 |
小石 | なるほど。 |
団長 | 解りやすく言うとね。まぁ、解りにくいんやけど。ごちゃごちゃしてるから。でも、大事かなって。僕らが僕らで出るっていうのがね、売りやから。ただもちろん、お客さんは別に普段の僕らを知らんから、大長編はどうとか言われても解らんやろうけど。まぁ、それはそれで、そういう芝居を見てるっていうのか。だってお芝居ってそういうもんやん。キャラクターがいて、っていう。 ……だからこれがすごく難しくて、たとえば僕ら、呼び方が違う、とか。 |
小石 | あだ名とか一杯あって、ですか? |
団長 | 出演者が『吉田みるく』やけど、『たすく』って呼ばれてる、とか。でもこれって、僕らが僕らとして出てる形やから変になるだけでさ。普通の芝居でいったら、そうやん。役名として出してへんやん、出演者の名前で出てて、でも僕らが本人で出てるから、それが役名となってるだけであって、パンフにもし役名を載せるなら、単純に『吉田たすく』になるし。ルパン三世見て、「いやちがうやん、小栗旬やん!」ってならへんやん。そこが、僕らが僕ら本人で出てるから。 |
小石 | 先入観とかそういうので。 |
団長 | 変な感じがあったりするなぁっていう。 |
小石 | ……こういう、大長編について話は、ちゃんとどこかに載せた方がいいかもですね。男肉紹介みたいなページに。 |
団長 | まぁね、でも難しいけどね、お客さんからしたら目の前の芝居を見てるからね。 |
小石 | テレビシリーズ男肉はどこにあるの? みたいな……。 |
団長 | テレビシリーズ男肉はこれやもんね。この、普段バイトしたり、飯食ったりしてるのが、テレビシリーズなだけであって。ただ、その感じが解ったら、より面白いやろうけどね。 |
第五回
小石 | これで五回目。そろそろ『LAきょうとピラミッド』の中身へと、深く切り込んでいきたいと思っているのです、が。そもそも、この『LAきょうとピラミッド』っていうタイトル、どうですか? パッと聞いて。 |
萌黄 | パッと? |
小石 | 『LAきょうとピラミッド』で浮かぶイメージとか。 |
チェン | イメージというか、LA、きょうと、と街の名前が並ぶかと思いきや、最後ピラミッドっていうのが。「あれ? どういうこと?」っていう。 |
小石 | それね。 |
チェン | 「あ、違うんだ。エジプトとかじゃなくて、ピラミッドなんだね」っていう感じはしますね。 |
萌黄 | 確かにね。 |
小石 | ピラミッドはいっぱいあるもんね。 |
チェン | そう実は。 |
小石 | マヤ文明のピラミッドとか。 |
萌黄 | ああ、そうか。南米も、ペルーとかにもある訳ですね。 |
小石 | LAと京都の具体性に対して、場所すら不定の。 |
チェン | ピラミッドだったら何でもいいのかっていう。 |
あんず | もしかしたら日本にもあるかもしれない、ピラミッド。 |
小石 | ああ、実は富士山はピラミッド説みたいな、危ないやつで? |
あんず | (笑) |
小石 | 現実、現実、ときて、最後に幻想的な。 |
チェン | ファンタジー。 |
萌黄 | でも、イメージ的にそういうやつだなっていう。『LAきょうとピラミッド』で、LA、京都ときて、こう、なんて言うんですか、三段目にちょっと、ボケじゃないですけど。 |
小石 | 三段落ち的な? |
萌黄 | そう、三段落ち的な。 |
チェン | 語呂も良いしね。 |
小石 | 確かに。語呂もすごい良い。『LAきょうとピラミッド』。収まりが良いからね。音がスッと。 |
チェン | タイトルが意味不明すぎて、ひっかかりがあるから。「ま、うん、合格なんじゃない?」って、ある人に言われましたね。。 |
小石 | 「なにこれ?」って気になってしまうと。 |
チェン | 解らなすぎて「ん?」ってなる。やっぱり。 |
萌黄 | そうですよね。ストーリーも何も、思い浮かばないっていう。 |
小石 | ……いや、これね。『LAきょうとピラミッド』って聞いた時にね。僕は。 |
あんず | はい。 |
小石 | まず、LAでパッと思ったのがね。『金田一少年の事件簿』で、明智警視が金田一に対して言った「この程度の事件、ロスではよくありました」みたいな台詞。 |
三人 | (笑) |
小石 | 何件も見た、日常茶飯事でしたって。 |
チェン | 引き合いに出すやつね(笑) |
小石 | そう。いやいや金田一の高校、どれだけ人死んでるか、殺人鬼輩出してるか、って話ですよ。 |
萌黄 | 確かに(笑) |
小石 | それが日常茶飯事なLA。これはもうね、地獄です。魔界。 |
三人 | (笑) |
小石 | 隣近所にジェイソンが住んでる、みたいな。 |
あんず | 怖い(笑) |
チェン | ……間違いなく魔界ですね、LAは(笑) |
小石 | その次の京都。これは、言うまでもなく呪術の都市ですよ。結界が張り巡らされ。かつて、どれだけの呪い合戦が行われたか。 |
萌黄 | 確かに。 |
チェン | ええ。ええ。 |
小石 | いろんな怨霊が、有名な御霊がね、居るし。そしてピラミッド。これも言うまでもなく、ファラオの。 |
チェン | 呪いが。 |
小石 | そう、ファラオの呪いがありますから。だからもう、全部です。地獄、魔の都、そして死の世界。 |
チェン | 結局全部、魔界、魔界、魔界やったと。 |
小石 | そう、全部がもう。非常にこれはね。 ――危ない。 |
チェン | 魔界が並んでた。 |
萌黄 | 魔の話っていうことなんですね(笑) |
小石 | 結局、そういうことなんじゃないかと。正直、危機感を覚えてるよね、僕は。 |
三人 | (笑) |
萌黄 | 『LAきょうとピラミッド』は、恐ろしく、呪われた、話だと……(笑) |
小石 | 語呂が良いとかっていうのは、これは思うに全てが、そういう。 ――手招いている。 |
萌黄 | 誘い(笑) |
小石 | そういうね、全部危ない、呪術なんじゃないかと。 |
三人 | (笑) |
チェン | 死へと誘う言葉やったんですね。 |
小石 | 『LAきょうとピラミッド』のそこに僕は、警鐘を鳴らしていきたいと思ってます。男肉メンバーは大体みんなね、京都に住んで、内側にいるから。ちょっと、ね。 ――気付いてない可能性あります。 |
あんず | ああ……(笑) |
小石 | となるとね、僕ら大阪組が。 |
萌黄 | なるほど。 |
チェン | 外からの眼で。 |
小石 | 電車で来る時に、京都入った瞬間、「あ、なんか空気違うな」って思ったら、それをね。 |
萌&あ | (笑) |
チェン | 結界入ったと認識して、しっかり。 |
小石 | ええ。ちゃんと僕らが、男肉 du Soleilの呪的防御力を上げて行かないと。 ――呑まれてしまうから。 |
萌黄 | (笑) 京都に飲まれてしまう。 |
チェン | ちゃんと修行したいと思います。 |
小石 | ちょうどこれでね、名探偵小石も、半分まできてますから。しっかりと、気を引き締めて、取り組んでいきましょう。 |
あんず | がんばります。 |
第六回
小石 | 前にね、男肉 du Soleilは見た目が一緒とか、パッと見ても、何が何やら解りにくい、というようなことを言ってましたけど。 |
萌黄 | ええ。実際わかんなかったですからね。写真。 |
小石 | (笑) でも、そんな話をしていたのも今回のための前フリとでもいいますか。 |
あんず | おお。 |
小石 | 要するに、LAきょうとピラミッドっていうこの、三つのね、都市がある、世界がある、という部分の話で。今回は舞台装置も、きっちり分かれて、在りますよ、ってことです。 |
萌黄 | そうなんですよね。舞台上にね、三つの異空間が同時に。 |
小石 | こんな大がかりなものは、男肉 du Soleilでも初ですね。これが非常にドキドキする代物で。まぁ、一番の気がかりは、仕込みとかね、建て込みが増えて、間に合うのかという。現実問題、恐怖があるのですけれども |
みんな | (笑) |
萌黄 | 確かに。でも稽古場の関係で、何回も平台を運び、イントレを組み、っていうのを毎週毎週しているので。もしかしたら、仕込みスキルはあがってるかもしれない。 |
小石 | ああ、速くなってるかもね(笑) |
チェン | もしかしたらね(笑) |
小石 | しかし実際こう、三つ分かれていて。それによる中身の、影響を受けて変化していく部分が楽しみで。僕達がよくやっている、半円で真ん中の奴を見てる、みたいな陣形も、これまでみたいには使えないんじゃないか、とか思っちゃうし。 |
萌黄 | そうですね。全体をね、同じように、同じ場所として使う、みたいなのがちょっと、違うというか。難しいのかなってね。 |
小石 | 例えば前回のモグラ―ズは、工場と野球部っていうラインが二つあったけれど、場所としては同じモグラ工務店にみんなが揃っていた。でも今回はそもそも、場所がそれぞれ別れちゃってるから。この、元々混沌とした男肉 du Soleilが、さらに分かれてとっちらかって、どないすんねんっていう。 |
萌黄 | よくあったのはメインでストーリーやってる端っこで、まったくメインとは関係ない、くだらないことをやってる、とかはこれまでもあったんですけど。今回はどっちもメインみたいなのを、同時進行しようとしてみたり、みたいな。同時に三つの場所全部がこう、違うことやってるけど重なってるとか。なんかそういう、どれも見逃し辛いみたいなのが同時多発的にある感じが、初めてじゃないかなっていう。あんまり男肉 du Soleilではなかったんじゃないかなって、感じますね。 |
小石 | ほんとね、団長の采配がどんな感じになるのか、すごい楽しみで。 |
チェン | 簡単に場所を変えれないですからね。今までは全部抽象で、「ここは○○だ」って言ったら、済んだ話だけど、 |
あんず | ああ……。 |
チェン | じっさい物があるから、どこだっていうのが。何にもなかったらそりゃ、言い切れちゃうけど。物は変ってないから。言っても別にできるっちゃできるけども。そこをどういう感じにするのかなっていうのが、見どころの一つではあるかなって思います。 |
小石 | 縛りプレイというか。 |
チェン | そうですね。見てくれ変わんないですからね。物はどうしたって。まぁ、照明でどうにかっていうのは、楽しめるとこであるかな、とか思いますけどね。 |
小石 | それと今回は、ちょっとね。シーンを作れ、と団長から団員へ振られたりしていて。……いざ作ろうと思ったら、すごく難しくって。 |
萌黄 | 難しい、ですねぇ。 |
小石 | それを、ねぇ……。 |
みんな | (笑) |
小石 | 一時間半だか何だか、まとめあげるっていうのが。 |
萌黄 | 改めて団長の、すごさというか。 |
小石 | うん。「舞台上で一区切りつけるならこんな作品に……」、っていう意気込みも。 |
チェン | だいぶありますからねぇ。 |
小石 | そこはかなりの見どころかな、と。もちろんダンスもね。みんなでそりゃ、踊るんやろうけど。 |
チェン | けど。 |
萌黄 | ねぇ。 |
小石 | どうしてもお客さんの目線としては、世界が三つ分かれてるっていう前提というか、絶対分けて見ちゃうんだろうし。当然在るからにはそれをね、僕らも、段差とか、高さとか、利用しなくちゃだし。 |
チェン | みんな同じ高さで踊るっていうのができないですからね。物理的に |
萌黄 | そうなんですよね。絶対にね、どっか、あがってるところで踊らなくちゃならない人が。 |
小石 | かと言って全部別個で踊られても、っていう。 |
みんな | (笑) |
小石 | そこでの、更に、ダンスのやりとりというか。 |
チェン | そこもね、楽しみどころであるのではないですかねぇ。 |
萌黄 | どう見せるのかっていう。 |
小石 | 今回の男肉 du Soleilは一味も二味も、三重に変わってますよ、と。 |
萌黄 | 毎回、新しい試みって言ってたのとは格段に違う感じがしますね。違いレベルが。違うの度合いが非常に違うんじゃないかな。 |
チェン | 階段何個かすっ飛ばしてる。 |
萌黄 | そう、極端な(笑) |
小石 | ただ、そうやって、常にね。急に、アクセル全開と言うか。 |
チェン | ええ。 |
小石 | フルスロットルでかっ飛ぶのが、僕達といえば、確かに僕達だし。 |
チェン | それはある。極端さがね(笑) |
小石 | そうやって上げたハードルを、いかに飛び越えていくのか。あるいは下をくぐるのか。 |
みんな | (笑) |
小石 | さぁさ、こうご期待という。 |
萌黄 | なるほど。 |
チェン | 感じで。 |
小石 | 電車で来る時に、京都入った瞬間、「あ、なんか空気違うな」って思ったら、それをね。 |
萌黄 | ということですね。 |
あんず | よろしくお願いします。 |
第七回
チェン | ということで小石探偵事務所、第何回ですかね? |
萌黄 | これが7回目かな。 |
チェン | はい、7回目ということなんですけども、今回、所長たる小石さんとあんずが不在ということで、私チェンと萌黄が二人で解決するという形をとっております。それで今回の謎なんですけども、LA京都ピラミッド出演ゲストの諸岡くんから頂いております。今、小石さんが不在だから言えるような。 |
萌黄 | あら、陰口ですか? |
チェン | 陰口ではない、ですけども(笑) |
萌黄 | (笑) |
チェン | その謎ですけれども。「小石さんがどういう人かよくわからない、小石さんが謎」というものです。その謎の人物に迫っていこうということです。 |
萌黄 | 探偵自体の謎を。 |
チェン | はい、追っていこうとなっています。 |
萌黄 | これは、確かに思っている人は多いんじゃないかなと。 |
チェン | みんな結構思ってるんじゃあないかと(笑) |
萌黄 | 実際、団員ブログとかの文章を見ても、ちょっとよくわからんと。 |
チェン | わかんないよね(笑)謎の単語がいっぱい出てくるよね。 |
萌黄 | 魔王っていう、魔界の住人っていう。 |
チェン | 設定なのか、本当なのか。 |
萌黄 | 設定だと思ってたんですけど、これはマジじゃないかと思う、そんな言葉日常じゃ使わへんやん、っていう言葉しか出てこないんですよね。 |
チェン | そうだよね、今回、団長からの指令で団員が本編のシーンを作るという場面がありまして、そこで小石さんが担当のシーン用に台本を作って来まして。テキストがあったわけですけれども、そこに出てくる単語が、パッと見では読めない!何だこれは(笑)という。 |
萌黄 | Kさんがボソッと「どう生きてきたらこんな文章が書けるのか俺は分からない」って言ってたの聞きました。 |
チェン | どういう文脈で人格と趣味が形成されたのか。 |
萌黄 | どういうルートを通って生きてきたんだろうっていう。 |
チェン | 本当に謎が深まるばかりです。 |
萌黄 | 小石さん、夜行性なところもあるようで、以前深夜帯のバイトをされていてそれを辞めたとき、私はすごい必死に昼のバイトやった方がいいですよって言ったんですよ。身体のリズム的にも、絶対昼のカタギのバイトやった方がいいですよって。そしたら、そっか、そうしよっかなって言ってて。そういう話を結構してたんですよ。でも結局蓋開けてみたらまた深夜のバイト始められたんですよね。(笑) |
チェン | 職種一緒だったという。場所が変わっただけだった(笑) |
萌黄 | 結局夜なんですねって言ったら、「結局夜がね。。。」っておっしゃってて(笑) |
チェン | そこも闇に紛れる的な生活リズムがあるのかな。 |
萌黄 | やっぱりお日様が照ってる時よりも暗闇の方が動きやすいみたいです。(笑) |
チェン | でも、その魔王の面はありつつも、とても真面目な方ですよね。 |
萌黄 | そうなんですよね。 |
チェン | 礼儀正しく、紳士的な面が非常にある。 |
萌黄 | 一番男肉で紳士ですよね。この探偵の衣装も、以前のユーストリームの放送の時に、この名探偵小石の収録をするからって言ってマジで探偵の格好してきて引いたって話しをしたんですけど。 |
チェン | (笑) |
萌黄 | でもね、やっぱり似合ってるんですよ! |
チェン | 昔、初めて男肉が東京公演をしに関東へ行った時、全員何らかのキャラで本番以外もいようっていう話になって。それで小石さんは英国紳士的に、って。でも結局その話はなんとなく流れたんですけど、小石さんはずっと最後までジェントルメンを貫き通してましたね。移動中も常にスーツに、四角いトランク、ハットという出で立ちでした。一人だけ、一体何者なんだっていうことになってましたが(笑) |
萌黄 | それでハットもってたんですね。 |
チェン | そういったところもとても律儀な方ですし。 |
萌黄 | そうですよね。作品中とかもしっかりとミッションをこなす方。団長から本番中に突然「今日、あそこで~をやれ!」みたいなミッションを渡されたりすることがありますが、それも大体完璧に遂行されますもんね。 |
チェン | 団長からの突拍子もない指令を、どこでどうすんねん、って一緒に聞いてたひとは思ってるようなことを、非常に巧~いことこなされますもんね。 |
萌黄 | ちゃんと自分で回収して。(笑) |
チェン | 突発的に台詞をいれるんじゃなく、キチンと流れにのって、あたかも最初からそうだったかのように。 |
萌黄 | なるべく周りの被害を少なくして終わるみたいな。 |
チェン | 本当に職人的な、手練ですよね。 |
萌黄 | 完璧主義なのかなって思いますね。 |
チェン | そんな小石さんですが、本番に入ったら、完璧といいますか、120%といいますか、200%というか(笑) |
萌黄 | モンスターですよね。(笑)さっきも昔のダンスの振りを思い出すのに映像を見ていたら、小石さんがやたらと「イヤアーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」って叫んでる声がずっと入ってるっていう。そんな叫ぶ!?ってくらい。 |
チェン | そんな感じちゃいましたやん!っていう感じ。(笑)また、本番の回によってもテンションが違いますもんね。今日どうされました!?!?って日がたまにある。 |
萌黄 | 小石さんがなにの加減でスイッチが入るのか分かんないんですよね。 |
チェン | 今日は500%ですねって日も。(笑) |
萌黄 | いつか本当に血管プチってなっちゃうんじゃないかと心配ですけど。 |
チェン | そういう面をみていると、やっぱり魔界の方なのかな、と思っちゃうかもしれないですね。 |
萌黄 | 結局謎は謎のままっていう。一回本番の様子を見て貰うしかないですね。出来れば複数回観てほしい。(笑) |
チェン | 今日、アレ!?って日があるのがよくわかりますね。端から見ていて恐怖を感じる日もあります。 |
萌黄 | 是非その恐怖と狂気を味わってほしいです。 |
チェン | これは、諸岡くんもこれから実感していくんじゃないでしょうか。 |
萌黄 | そうですね。 |
チェン | ということで、今回謎は、解決出来ず、ですかね。 |
萌黄 | やはり、我々助手だけでは厳しかったですね。何より所長自身の事でしたし。 |
チェン | 所長のお帰りをおまちしております。 |
第八回
チェン | ということで、小石探偵事務所第8回目となりました。 |
萌黄 | はいー。 |
チェン | まだ、ちょっと所長の小石さんは戻っておりませんので、私チェンと萌黄、そしてあんずの助手三人でお送りしたいと思います。本日は、またしてもゲストから謎をいただきまして。次はゲスト岩田さんから頂きました。 |
萌黄 | はいはい。 |
チェン | 謎は、「なぜ男肉 du Soleilをやっているのか、続いているのか」というものです。 |
萌黄 | シブいですねぇ。 |
あんず | うーん。 |
チェン | なんでそんなこと謎にするのか、っていうことは思いますけども。 |
萌黄 | 哲学の話かなと思いました。 |
あんず | ふかーい話ですね。 |
チェン | まあ男肉も、もうそれなりの年数活動してきているわけですが。この三人とも最初期からいるわけではないですけれども。 |
萌黄 | 男肉自体は10年ですか? |
あんず | はい。10年ってすごいですね。 |
チェン | 一区切りですよ。 |
萌黄 | 子供生まれて、小学校高学年くらいでしょ? 10歳って。 |
チェン | 小学校4年生ですよ。 |
萌黄 | でかいな。 |
あんず | わーお。 |
チェン | そんな10年選手の男肉 du Soleilですが、萌黄はなんで男肉に入ったの? |
萌黄 | 入ったのは、スカウトとかじゃなくて、私の大学で当時一番仲良かった子がスカウトされて、その子と仲良かったから入ったっていう。女が足りなかったからっていう理由で初めて参加して。 |
チェン | ついでにみたいな感じやったね。 |
萌黄 | そう、ついでにやってきて、ひと公演参加して、お誘いを受けるという。入団しないかと。 |
チェン | その時萌黄の同期が三人参加してて、後で誘われたの萌黄だけだったもんね。団長に「お前やれ!」って言われたの。 |
萌黄 | 男肉の次の公演見に行ったら団長に「え、いつ出んの?」って言われて、あれ!?ってなりましたね。 |
チェン | でもその結果、なんで入団して、続けようと思ったの? |
萌黄 | 色んな事を出来るというか。舞台上でダンスも歌もラップも。たまに妙にアクロバティックな、サーカスみたいなこととかやったり。ジャンルとか無くやれるし、逆に出来た方が役に立つし、やっていいし。 |
チェン | そうだね、なにやっても受け入れてくれる。 |
萌黄 | 何でも、例えば趣味で身に付けたこととかも舞台上で武器になるというか。そういうのが男肉ならではでいいなと思っているっていうのがありますね。 |
チェン | なるほど。団長も昔サーカス団の団長!みたいに言われてたことありましたからね。 |
萌黄 | サーカスで最初やってたんでしょ? |
チェン | du Soleilですからね。(笑) |
萌黄 | チェンさんはなんで男肉はいったんですか? |
チェン | ボクは、最初スタッフ手伝いをしていて。そしたら団長に「お前も出ろ!」って言われたのが最初かな。自分で男肉とは違うダンスをやってるけど、自分の活動とは全く違う両極端みたいなもので。男肉はエンターテイメントってわけじゃないけど純粋に人を楽しませるっていうのはやっぱり面白いなと思っていて。だからどっちもやろうと思ってやっているところはあるし、そうは言ってもダンス的なところは男肉にもあるし。やっててやりがいはあるかなということで続けていることはありますね。あんずはどうですか? |
萌黄 | 一番歴が浅いですが。(笑) |
あんず | 数ヶ月ですけど。 |
チェン | じゃあ、なんで男肉をやろうと思ったかということですけども。 |
あんず | ずっと地下アイドル活動をやっていて、ライブが楽しいなと思う毎日を過ごしていて。でもそろそろ何か違う事をやりたいなとふんわり思いつつずっと活動してたんですけど。 |
萌黄 | へー。 |
あんず | その時にハロプロのミュージカルを見て、演技って面白そうだなって思いはじめて。段々やりたいなっていう気持ちばっかり膨らんで、どうしようかなと思ってた矢先に男肉 du Soleilオーディションって出てたので。これは受けるしかないだろうと。 |
チェン | それで男肉って相当極端だよね。 |
萌黄 | 色々すっ飛ばした感じはありますね。 |
あんず | 何かを突然思い立ってやることが多いから。これ、よしやる!みたいな。 |
萌黄 | 男肉知ったきっかけってなにやったん? |
あんず | 知ったきっかけは友達に連れられて「マーマレード男子」を観た事です。 |
萌黄 | 一回観て、オーディション来てっていうことか。いきなりオーディションの紙見て、これや!ってなったわけじゃないんやね。 |
チェン | それはヤバいな。(笑) |
あんず | そこまでバカじゃない(笑) |
萌黄 | それやったらすごいヤツだなと思いましたよ。ここまで団員三人の参加した理由聞いてきて、結構様々ですね。 |
チェン | そうですね。なんで続いてるのかわかんないですね。(笑)なんでかね。 |
萌黄 | それぞれやりたいことが違いますね。 |
チェン | それぞれバラバラだけど、それが持ち味なんじゃないって思いますけどね。 |
萌黄 | それぞれ好きな方向に行くけど、男肉っていう家に一旦帰ってくる。そういう場所があるって感じに思ってますね。 |
チェン | なんでもありで、とりあえず家って囲っとけばいいじゃん!みたいな。(笑) |
萌黄 | 激しい言い方すればそうかな。(笑) |
チェン | それが、極端に色んなものがあっていいんじゃないかと思いますね。 |
萌黄 | 混ざり切らない感じがね。 |
チェン | とにかく、メチャクチャだからこそ続いてる。 |
萌黄 | ということですね。 |
あんず | はい。 |
チェン | ということで、謎は解けたのかどうなのか分かりませんが。 |
萌黄 | そうですね。。。 |
チェン | 今回はこれくらいで。また次回! 小石さんの名推理をお楽しみに! |
第九回
七つ罪が混沌。いびつな兵どものるつぼ。愚者をさいなむ煉獄にして、永久に寝かし付ける楽園。すなわち男肉街。たとえ幾星霜の月日を積み上げようとも、振り向いてしまえば全ては夢。ただ、風の前に散り行くのみ。此処では誰もが、虚ろなるカルマを背負って、歩いて行かねばならない。可憐なあの子も。優しかったあの人も。大人も子供もお姉さんも。無論、この私も。
「主よ、どうか私をおあわれみくださいますよう」
心にもないことを呟いて、隠れ家の壁に背を預ける。懐からガラケーを取り出し、通話ボタンを押す。繋がる先は事務所周辺に仕掛けて置いた盗聴機器だ。機械の聴覚が拾うのは他でもない、私の代わりに謎に挑む、親愛なる助手達の会話である。なるほど。どうやら依頼人は、謎だけを寄越して姿を現さなかったらしい。
……やはり、身を隠して正解だった。私の素性を探る質疑に、男肉を行う初期衝動をえぐらんとする問いかけだなどと、あまりにあからさますぎる。間違いなく依頼人は、ゲストの名を騙る偽物だ。敵は隙を突き、こちらの戦力を削ぎ落そうと狙っている。私が姿を見せれば、ビルごと電流爆破も辞さない構えだろう。
だとすると、この通信も危険だ。私はガラケーを握り潰した。否、握力が絶望的に足りない。逆パカして、ゴミ箱にシュートする。少しだけ、しゅんとする。構わない。もはや私には無用の長物である。荷物はできる限り、少ない方がいい。
叶うなら、助手達に最期の別れを告げてから旅立ちたかったが、致し方ない。これ以上、友人を巻き込む訳にはいかない。彼らは、私のような唾棄すべき探偵の迷いに迷った空言に、親身に付き合ってくれる、実に気の良い連中なのだ。どうか生きて、幸せになって欲しい。翼を広げ、高く羽ばたいて欲しい。大空をどこまでも。
「さて、と」
胸ポケットから1枚の写真を取り出して眺める。稽古初日に私が撮影したものだ。何の変哲もない日常の一コマに見えるが、これは、団長が「説明するから近くに寄れ」と言った直後を捉えた代物なのである。「もっとギュッと集まれ」と言われてなお、この距離感。実に忍びない。とてもハートアンダーブレード。これこそが『男肉のドーナツ化現象』と呼ばれ、日本の経済界を悩ませている怪異である。
……なんてことはない。ただの男肉半円の陣だ。稽古場にて団長が前に立つと、演出を受けている気分に陥り、自然、体が開き、半円を象り、舞台全体を団長が見渡せるように立ち位置を調整してしまう、ただそれだけのこと。
しかし、どうしてか。私の脳裏には、いつかの路地裏で聞いた、とある拝み屋の言葉がよぎってやまない。
『――男肉 du Soleilは、世界を救いすぎた』
もしも。神話的救世を幾度となく重ねたことで、団長の因果線が、世界法則に根付く概念領域まで束ねられてしまっているとしたら。もしも。歴戦の修羅たる団員が無意識に押し退けられるほどに、その神気が膨れ上がっているとしたら。まこと、おののきを禁じ得ない。光と闇。生と死。ひるがえせば。救済とは、滅すことと同義となる。
謎は解けた。霧は晴れた。敵は恐らく終末論者。その目論見はきっと、逆さに式を打つことに違いない。
『LAきょうとピラミッド』。三位一体を綾なす奏上は果たして、いかなる扉を開くのか。戦国の世か。太平の世か。抱腹絶倒の抒情詩たるや否や。今度こそ、叫ぶことになるかもしれない。エリエリレマサバクタニ。獣ヶ原に飛び込むガウが如く。身命を賭して、人生を投じてラーニング。一体、何故、どうして? まま、懐疑するが定めに従い、いざ行かんヴァルハラ。ゴットハンド。輝きの向こう側へ。
さぁ、解決編/グランギニョルを始めよう。