
NMR今後の活動報告
最終章
秘密結社!? フリーメイソンとイルミナティって結局なんなんだ!?

おっす、クリリン! オラ、NMR!
これまで河童を追っかけたり、六甲山に落っこちたUFOを探したり、黒又山をピラミッドだと言い張ったり、ワクチンにまつわる陰謀論を調べたりしてきたけど、とうとう今回が最終章だぞ。
クリリン、陰謀論の話を聞いてると、最後にはぜってえ「フリーメイソン」と「イルミナティ」って名前が出てくるよな。
大統領が変わった。
フリーメイソンの仕業だ。
新しい紙幣が出た。
イルミナティの計画だ。
芸能人が写真で片目を隠した。
イルミナティに入った証拠だ。
三角形の建物ができた。
フリーメイソンが造った。
クリリン、おめえんちのおにぎりまで三角形だったら、もう逃げ場がねえぞ。
だけどよ、そもそもフリーメイソンとイルミナティって、結局なんなんだ?
同じ組織なのか?
どっちがつええんだ?
フリーメイソンとイルミナティが天下一武道会で戦ったら、どっちが優勝すんだ?
オラ、すっげえ気になってきたぞ。
まずフリーメイソンだけど、これは作り話の組織じゃねえ。
実際にせけえ各地に存在してる、歴史の長え友愛団体なんだ。
正確な起源には分からねえ部分もあるけど、中世ヨーロッパで城や大聖堂を造っていた石工職人たちの伝統や道具が、今の儀式や象徴に影響を与えたと説明されてる。
1717年にはロンドンの四つのロッジが集まり、せけえで最初のグランド・ロッジを結成したんだ。
石工は英語でメイソンっていうらしいぞ、クリリン。
だからフリーメイソンでは、石を削る道具だった定規やコンパス、エプロンなんかが今でも特別な意味を持ってる。
石をきれいに削るように、自分の心や生き方も磨いていこうってことらしい。
なるほどな。
オラも修業で岩を持ち上げたり、山を吹き飛ばしたりしてきたから、石と人間が一緒に強くなるって話は、なんとなく分かるぞ。
ただ、オラが石工になったら、力を入れすぎて建物まで全部ぶっ壊しちまいそうだ。
現在のフリーメイソンは、組織によって多少ちげえけど、仲間同士の交流、人格の向上、慈善活動なんかを行う団体として活動してる。
イングランド連合グランド・ロッジも、誠実、友情、尊敬、奉仕を大切な考え方として掲げてるんだ。
つまり、表向きに確認できるフリーメイソンは、世界征服を狙う悪の軍団というより、歴史と儀式をでえじにする、ちょっと秘密の多い大人の集まりなんだな。
でもよ、クリリン。
秘密の合図があって、会員だけの儀式があって、偉え人たちまで参加してたら、そりゃ怪しく見えるよな。
普通の居酒屋でも、奥の部屋に偉そうなおっさんが十人集まって、全員でエプロンを着けながらコンパスを掲げてたら、オラだって窓からのぞくぞ。
だけど、秘密の儀式をやってることと、せけえを裏から完全に操ってることは、まったくちげえ話だ。
フリーメイソンの主要な組織は存在を公表してるし、建物もある。
公式サイトもある。
見学できる施設やカフェまである。
クリリン、本当にせけえを支配してる悪の秘密結社が、公式サイトで見学ツアーを募集すっか?
秘密基地にカフェがあって「営業時間は午後五時までです」なんて書いてあったら、ちっともこええ組織じゃねえぞ。
次はイルミナティだ。
イルミナティっちゅうと、黒いローブを着たやつらが三角形のテーブルを囲んで、各国の大統領や大企業に命令してるようなイメージがあるよな。
だけど、イルミナティも最初っから全部作り話だったわけじゃねえ。
歴史上、本当にイルミナティと呼ばれる秘密結社が存在したんだ。
特に有名なのが、1776年にドイツ南部のバイエルンで、大学教授のアダム・ヴァイスハウプトが作ったバイエルン・イルミナティだ。
理性や啓蒙思想を重んじ、宗教的な権威や専制的な政治に対抗しようとした組織だったとされてる。
秘密の名前や暗号、階級制度も使ってたらしい。
クリリン、これは普通に秘密結社だぞ。
作り話じゃなくて、本当に秘密結社を作っちまったんだ。
ヴァイスハウプトは組織の中で「スパルタカス」っちゅう名前を使ってたらしい。
大学教授なのに、急にすげえ強そうな名前を名乗り始めたんだ。
オラだったら「孫悟空」のままでいいけどな。
イルミナティは有力者や知識人を仲間に入れ、社会を内側から変えようとしてたとされてる。
人脈を広げるために、フリーメイソンの会員やロッジとのつながりを利用したこともあったらしい。
ここが、フリーメイソンとイルミナティがごちゃ混ぜにされる原因のひとつなんだな。
だけどよ、クリリン。
知り合いにフリーメイソンがいたからといって、フリーメイソン全員がイルミナティになるわけじゃねえぞ。
おめえが亀仙人の弟子だからって、亀仙人の持ってる本までおめえの物になるわけじゃねえだろ。
むしろ、なってほしくねえだろ。
その後、バイエルン政府は秘密結社を危険視し、イルミナティを禁止した。1785年ごろには組織としてほぼ壊滅したと説明されてる。
ところが、ここから話がおもしれえことになるんだ。
秘密結社が秘密のまま消えちまったもんだから、みんなこう考え始めた。
本当に消えたのか?
地下に潜っただけじゃねえのか?
別の組織に名前を変えたんじゃねえのか?
フリーメイソンの中に入ったんじゃねえのか?
実は今でも政府や銀行や芸能界を操ってるんじゃねえのか?
クリリン、秘密結社ってのは、消え方まで秘密だったから、いつまでたっても消えたことにならねえんだ。
証拠が見つからなければ「証拠を完全に消したからだ」
関係者が否定すれば「否定するよう命令されているからだ」
誰も名乗り出なければ「本物の秘密結社だからだ」
これじゃ、ぜってえ負けねえ理論だぞ。
こうして歴史上のイルミナティは、現在の陰謀論の中で、どんな事件にも出てこられる万能の黒幕になったんだ。
政治が動けばイルミナティ。
株価が下がればイルミナティ。
人気歌手が三角形のポーズをすればイルミナティ。
テレビに片目が映ればイルミナティ。
ピザを三角形に切ってもイルミナティ。
クリリン、三角形に罪はねえぞ。
そしてイルミナティといえば、ピラミッドと一つ目だよな。
特にアメリカの1ドル紙幣にも使われてる、未完成のピラミッドの上に目が浮かんでる図柄が、イルミナティ支配の証拠だと言われることがある。
だけど、あの目は「プロビデンスの目」と呼ばれるもので、アメリカ国璽の公式な説明では、ピラミッドは強さと永続性を表し、その上の目は神の加護を示すものとされてるんだ。
だから、一つ目とピラミッドが描いてあるだけで、すぐイルミナティだと決めることはできねえ。
できねえんだけどよ、クリリン。
第三弾で調査した黒又山は、ピラミッドだったよな。
イルミナティの象徴といわれるのも、ピラミッドだ。
第二弾の六甲山にはUFOが落ちてた。
第一弾の琵琶湖には河童がいた。
第四弾のワクチン陰謀論には、悪の枢軸が登場した。
あれ?
クリリン、全部つながったんじゃねえか?
イルミナティが黒又山を造り、フリーメイソンが六甲山にUFOを誘導し、そのUFOに乗ってきた宇宙河童が琵琶湖に住みつき、悪の枢軸がワクチンを使ってその事実を隠していたんじゃねえのか?
……いや、わりい。
つながったんじゃねえ。
オラが今、無理やりつなげたんだ。
以上の調査から、オラたちNMRはひとつの結論にたどり着いた。
フリーメイソンは、現在も実在してる歴史の長え友愛団体だ。
イルミナティは、18世紀のバイエルンに実在した秘密結社だ。
二つの組織には歴史上の接点があった。
だけど、この二つが現在も一体となって、政府、金融、芸能界、ワクチン、UFO、河童、黒又山、三角形のおにぎりまで支配してるという確かな証拠は、今のところ見つかってねえ。
でもよ、クリリン。
本物の秘密結社が本当にせけえを支配してるなら、簡単に証拠が見つかるわけねえよな。
証拠がねえから存在しねえのか。
それとも、証拠がねえことこそ、完璧に隠れてる証拠なのか。
考えれば考えるほど、オラ、ワクワクしてきたぞ!
オラたちNMRは今後も、フリーメイソンの建物、イルミナティの痕跡、一つ目の印、怪しい三角形、秘密の握手、やたら長え会議なんかを調査していくぞ。
現在、定規、コンパス、黒いローブ、片目の描かれた名刺、秘密結社に入るための履歴書、それから腹が減った時の弁当を用意してる。
クリリン、おめえも来るよな?
もし帰り道で、片目を隠しながら三角形のおにぎりを食って、定規とコンパスを持ったおっさんを見かけたら、ぜってえ一人で近づくんじゃねえぞ。
そいつはイルミナティかもしれねえ。
それか、腹を空かせた図工の先生だ。