男肉と古典

第2幕

メンバー:城之内コゴロー(以下、J)・チェン(以下、チェン)・江坂一平(以下、先輩)

写真1

チェン さて、古典ということで3人集まりましたけれども。
先輩 Jはこのトークやるの二回目やんな
前回でも話したんですけどね。
チェン カンペみてるじゃないですか
(携帯で前回の記事を読みながら)全然覚えてないんですよねもう。ちょっと待ってくださいねー。
チェン 待ってますよー。
見たところによると、前回は真面目な感じですね。古典ということで。
先輩 堅苦しい感じはあるよね。
何が古典なのかっていうことですよね。色んなものにあてはめるとすると古典ってどういうもんなんやっていうこと。マンガとかだと、どれに当たるか。古典っていう言葉の範囲がわかんない。
チェン 確かに。
先輩 ざっくりしてるよね。古典的とかいうけど。

写真2

古典、近代、現代とかあるけど、よくよく考えると境目がわかんないなって。
先輩 明確に年代で分かれてるわけじゃないよね?
何となく古典なのかしらっていう感じで捉えてますけど。
チェン 伝統芸能とかもありますもんね。
先輩 枠があってそこに当てはめて「古典」っていうわけじゃなくて、何かモノを言われて、これ「古典」って思うけど、そういう感じかな。
イメージで捉えてますね。あとはそれが書かれた時がどういう時代だったかとか。
先輩 ギリシャ悲劇とか古典やんね。
リア王よりもっと前ですよね。古典の時代ってすごい長いはずなんですけど。
チェン そんなはるか昔の文学である古典に日々触れて稽古をしているわけですが。
先輩 稽古でぼちぼち読んでますけども。そこでリア王役を何度か読んだことのあるJとチェンの二人はどう?どんな感じでリア王やってるの?
稽古段階では僕とチェンがよく読んでるんですけど。
先輩 すごい横行でヤバイやん。
力の抜きどころがまだ分からないですね。ずっと沸点にいるようなセリフばかりで。
チェン 常にアクセルベタ踏みですもんね。
これやっていて、僕ホンマに死ぬんじゃないかと思います。本番初日で血管切れて。
チェン それは分かります(笑)。
先輩 確かに、こいつ一番に死ぬんじゃないかと思う(笑)。
ちょうど僕が読んだのが、一番リア王が激しく怒ってる部分だったからっていうこともあるけど。
チェン 一番狂ってるところですね。
初っ端からアクセル全開なんですけど、それが段々過剰になっていくから。
チェン 一番最初の登場シーンからすぐにキレますもんね。
先輩 J王はずっとアクセル全開な感じだったけど、チェン王は何か変化あるよね。
チェン やっぱり狂っているので、感情が色んな所に行ったり来たりしているんじゃないかと思って。
先輩 ひと含みありそうな感じがしたけど。

写真3

チェン もうどうとでもなれ!みたいに思っているところもありつつ、更に普通じゃない感情までいってしまうと、そこは敢えて強い口調にならなかったするのかなとか。かと思えば一瞬で普通の感情に戻るところもある。とっちらかった感じの方が狂っている感じがするので。
先輩 全力投球しているくせに、いきなり横に牽制球投げてくるような。
チェン そうですね。
振れ幅がどれだけ出るかですよね。登場人物みんなそんな感じしますけど。その中で一番振れ幅が大きいのがリア王。
先輩 そう思うと、古典のキャラってみんなJみたいなに思えてくる。オセローとか勘違いして狂って殺し合うとか。これJやんって。ギリシャ悲劇の主役は大体そう。
チェン 普段の男肉でいったら、Jさんの役回りですよね。ということは、男肉はギリシャ悲劇だったんですかね?
先輩 元々親和性は高いって話はしていて。
チェン どちらも、頭がオカシイ役ばっかりですもんね。
先輩 古典を使って何をするかってみんなで会議した時に、ギリシャ悲劇とは親和性あるんじゃないかって話してて。最後に神様が出てきて全部片付けるっていうところとか、ちょっとしたことを大げさにやりがちなところとか。
だからこそっていうわけじゃないですが、いつもとは違うよっていうのを出していけたらいいなとは思ってますけど。
先輩 古典っていうと重いものをしなくちゃいけないっていう感じがあるけど、稽古してて突破の仕方はあるなと思えてきたよね。
チェン いまは男肉としては珍しく正攻法の「演劇」の向かい方をしてますが、これからどうなっていうのか楽しみですね。



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